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ポリファーマシー対策における薬剤師の役割とは?

薬剤師がよく理解しておかなければならない問題として「ポリファーマシー」というものがあります。ここでは、ポリファーマシーとは何か、どのように対策をとれば良いのかなどについて解説します。

ポリファーマシーとは?

ポリファーマシーのポリとは「多い」、ファーマシーとは「調剤」を意味しています。ポリファーマシーは、日本語だと「多剤服用」と訳され、多くの薬を服用することによって副作用などが起こってしまうことを指します。
また、複数の薬があるために飲み間違ってしまったり、残薬が発生したりする問題がありますが、これらもポリファーマシーです。

ポリファーマシーの対策方法

ポリファーマシーの大きな原因は、大きく分けて2つです。
1つ目が、複数の医療機関で診断・薬の処方を受けているために薬が増えてしまうことが挙げられます。2つ目が、処方カスケードによるものです。
それぞれ対策を紹介します。

薬が増えてしまう対策

複数の医療機関で診断を受けて薬を処方されると、薬の総数が増えてしまうことがあります。この問題を解決するためには、おくすり手帳を活用することが重要です。他の医療機関でどのような医薬品が処方されているのかはっきりわかれば、重複投与や薬物相互作用などを防ぐことに繋がります。

処方カスケード対策

処方カスケード対策とは、薬剤を服用した後に不具合が起こり、それをまた別の薬剤で対処することをいいます。
薬を飲んで現れた症状を新たな病状と判断してしまうと、処方カスケードが起こりやすいです。

本来であれば、症状を引き起こす薬を休薬すべきところを別の薬で対応してしまい、状態が悪化していくこともあります。対策としては、どのような症状が現れた場合に処方カスケードが疑われるのか知識をつけておくことが重要です。

ポリファーマシー対策における薬剤師の役割

ポリファーマシーは薬剤師も十分に理解し、予防に向けて取り組んで行かなければなりません。
例えば、かかりつけ薬剤師によるフォローアップが効果的です。できれば患者さんにはかかりつけ薬剤師を決めてもらい、一元管理につなげましょう。一元管理することによってポリファーマシーを発見しやすくなります。

また、おくすり手帳の重要性を患者さんに理解してもらい、活用を促すのも薬剤師の役割です。
それから、患者さんが正しく薬を飲んでいるかを判断するためにも、話しやすい薬剤師であることが求められます。
服薬情報提供書を活用することも重要です。薬剤師が処方医に伝える必要があると判断した内容について伝えるためのものであり、次回の処方のための情報提供が行えます。

まとめ

特に高齢になるとさまざまな不調を感じやすくなることから、患者さんは複数の病院を渡り歩くことも珍しくありません。その中で処方される薬がポリファーマシーに繋がることも多いです。

また、認知症を有している方の場合、自身で適切に薬を取り扱えないケースもあります。薬剤師は正しく薬を処方するだけではなく、ポリファーマシーについても十分に理解し、どのような対策に取り組んでいくべきなのか考えることが重要です。服薬情報の管理を適切に行い、残薬管理にもつなげていきましょう。

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※参照元:薬キャリ(https://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/216)