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薬剤師が気を付けたい調剤ミスとは

薬剤師にとって調剤ミスは絶対避けたいところです。10年も20年も無理なく働き続けるには、ミスなく安定的に仕事をこなすことでしょう。調剤ミスは命さえおびやかす避けたいミスです。薬剤師なら絶対避けたい調剤ミスについて詳しく解説します。

調剤ミスとは

調剤ミスとはなにか、薬剤師会で定義づけされています。平成13年4月作成「薬局・薬剤師のための調剤事故防止マニュアル」が平成17年11月より、調剤ミス、調剤過誤、調剤事故と並んで、改めて定義されました。調剤行為をきっかけに生じた問題や事態です。調剤事故、調剤過誤、ヒヤリハット事例(インシデント事例)の3つに分けて定義されています。

調剤事故

調剤事故は、「医療事故の一類型。調剤に関するすべての事故に関連して、患者に健康被害が発生したもの。薬剤師の過失の有無を問わない。」と定義されました。

医療事故の中で、調剤行為が関わっている、薬剤師の過失の有無に関わらない、患者に健康被害が生じている、というケースが調剤事故です。医療安全の分野で考えると、アクシデント事例と同義です。そのため、調剤事故もアクシデント事例と呼ばれることがあります。

調剤過誤

調剤過誤は「調剤事故の中で、薬剤師の過失により起こったもの。調剤の間違いだけでなく、薬剤師の説明不足や指導内容の間違い等により健康被害が発生した場合も、「薬剤師に過失がある」と考えられ、「調剤過誤」となる。」と定義されました。

調剤事故で薬剤師のミスで起きたものです。調剤を間違えただけではなく、説明不足や指導内容を間違えて患者に健康被害が起きた場合、薬剤師の過失が認められます。そのような状況が調剤過誤と定義されています。

ヒヤリ・ハット事例(インシデント事例)

ヒヤリ・ハット事例は、「患者に健康被害が発生することはなかったが、“ヒヤリ”としたり、“ハッ”とした出来事。患者への薬剤交付前か交付後か、患者が服用に至る前か後かは問わない。」という定義です。

インシデント事例と同義で、ヒヤリとした、ハッとした出来事が当てはまります。薬剤を交付した前、後、患者が服用の前か、後かも無関係です。調剤事故や調剤事故と違い、健康被害が出ていなくても、ヒヤリとした、ハッとしたならヒヤリ・ハット事例に当てはまります。

ミスが発生した際の対処法

初期対応

調剤ミスに気づいたら、内容を確認後、記録します。患者の氏名や生年月日、電話をかけてきた人が患者以外なら本人との続柄、連絡先として電話番号、どこの医療機関の処方薬か、どんな間違いか、服用前か後か、服用回数や、直近の服用からの時間、患者の状態などです。

情報を聞いた後は、整理して、調剤ミスによる影響レベルについて把握します。必要なら医師の判断を仰ぐ、患者の健康障害を最小限に食い止めることを第一に優先しての行動が必要です。

患者さま・家族への対応

患者本人以外に家族への対応も必要です。被害の拡大を防ぐことを最優先し、患者だけではなく家族にも適切な指示が求められます。薬剤の場合、健康被害のレベルが大きいと命取りになることもあり、緊急性があるなら救急車の要請や受診勧奨なども必要になる場合もあるからです。

たとえ、ミスに気づいて服用しておらず、健康被害が出ていない場合もあるかもしれません。それでも患者への説明と話し合いを実施することが肝心です。健康被害が出ていなくても、調剤ミスがあったことは否定できません。

事後対応

もし調剤ミスで患者に健康被害が出た、または疑わしい場合は適切な事後対応が重要です。患者の様態や経過、話し合いの状況、再発防止策を所属する薬剤師会へ相談します。状況により市町村、保健所へも報告しなければなりません。

調剤ミスが原因で重篤な副作用が起きるケースもあります。合併症や後遺症が出るケースもあるのです。その場合、短期ではなく長期的な対応が必要になるかもしれません。状況次第では、報道機関や警察、保険会社への対応も求められます。

ミスをおこさないためにはどうすべきか

複数名によるチェック

調剤ミスを防ぎたいなら複数名でのチェックが必要です。1人より2人、3人など複数名でチェックすれば誰かがミスに気づく可能性が高まります。ただ人数を増やすのもキリがないため、監査システム機器を導入したり、声出し確認をしたりするのも有効です。服薬指導では患者と一緒にするのも対策として期待できます。

疑義照会を行う

処方箋通りに調剤したとします。ただ、医師が処方をミスしているケースも0ではないのです。用法、容量、禁忌、相互作用の十分なチェックが求められます。もし疑わしい内容があったら、小さな疑問でも疑義照会をしたほうがいいでしょう。処方箋の文字が読みづらい、わからないケースもあります。自己判断だけではなく疑義照会をしたほうが安全です。

報告の徹底

調剤ミスが起きたら報告書を作成し、ミスの原因や所在を明確化します。「小さなミスだから今回は作成はいいか」という適当な対応ではなく作成の徹底が必要です。事例を収集し、定期的に薬局内で周知することでミスが減ります。また、薬局内だけで終わらず、日本医療機能評価機構の「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業で共有することも大切です。

ロボット調剤の導入

ロボット調剤の導入も人為的なミスを減らせる有効な手段として期待されています。ロボット調剤を導入すれば、薬剤師の業務負担が減り効率化できるからです。ただ、監査システムで発見できなかったケースも有るため、使い方の十分な理解、積雪な運用と管理が求められます。

名称の似ている・複数規格のある医薬品を把握する

医薬品の中には、似た名称や、規格が複数のものもあります。とくに調剤ミスが起きやすいものです。過去に取り違いがあった薬品があれば、薬局内で情報共有が求められます。薬品棚に複数規格ありという警告ラベルを貼るだけでも意識が変わります。ミスを予防する環境を構築しましょう。

複数の処方箋がないか確認

複数の処方箋にも特別な注意が必要です。患者の中には複数の診療科を受信している方もいます。まとめて複数の処方箋を持ってくる場合があり、医療機関同士の情報共有がないと問題です。薬剤にも飲み合わせによる禁忌があり、下手をすると成分の重複、相互作用で悪影響が出かねません。お薬手帳をチェックし、記載漏れがないかヒアリングも必要です。

まとめ

調剤ミスは、軽いミスではなく大きなミスにつながりかねません。大きなミスとは、患者に健康被害が出ることです。調子が悪くなるだけではなく、下手をすれば命の危険にもつながります。若年層、高齢者など年齢関係なくリスクは同じです。

調剤ミスとはなにか定義を正確に把握し、事例や過去に薬局内であって調剤ミスについてチェックしてみましょう。同時に調剤ミスをしたら、第一に患者の安全を考えて行動することが重要です。その上で適切な対処法を実施してください。

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※参照元:薬キャリ(https://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/216)