基礎化粧品やメイクアップ化粧品、ヘアケア用品、ボディケア用品など、さまざまな日用品を開発・販売している化粧品メーカー。商品の多くが人の体に直接使用するものなので、薬剤師の専門知識が大いに活かされる業界でもあります。
ここでは、化粧品メーカーで働く薬剤師の主な仕事内容、メリット・デメリット、平均収入などについて詳しくご紹介しています。
化粧品メーカーで働く薬剤師の仕事は、大きく分けて「研究・開発」「営業・販売」「管理」の3種類になります。それぞれの仕事の概要を見てみましょう。
基礎化粧品でもメイクアップ化粧品でも、その多くは人の肌に直接塗布するものなので、しっかりと安全性を確認した上で商品化を目指さなければなりません。また、基礎化粧品の中には一定の有効成分を含むものもあるので、期待される効果の検証も必要です。
化粧品メーカーの薬剤師は、商品化の基となるこれらの研究・開発に携わっています。
商品化された化粧品を市場で販売するためには、販売店や卸会社に商品の詳細をしっかりと伝える必要があります。いわゆる営業です。
営業を担当するのは主に営業部署の社員ですが、商品の内容を誤解なく十分に伝えるため、薬剤師が営業・プレゼンに同行することもあります。
人の肌に直接使うことの多い化粧品なので、常に安全に使えるよう品質管理は欠かせません。また、商品が薬機法(旧薬事法)に基づいて開発されたものであることを公的機関に認めてもらうため、各種の書類作成や申請事務も必要となります。
これらの業務には専門知識が必要となるため、薬剤師の存在が欠かせません。
化粧品メーカーで働く薬剤師は、各種の有効成分に関する知識や、薬機法(旧薬事法)をはじめとした法令に関する知識が求められます。これらの知識は、まさに薬剤師の専門分野。専門知識を活かせるため、日々の仕事にやりがいを感じられるでしょう。
大手化粧品メーカーに就職すれば、給与や福利厚生などで厚遇が期待できます。産前産後休暇や育児休暇などの休暇制度もしっかりしている会社が多いため、ワークライフバランスの取れた働き方ができるでしょう。
化粧品メーカーの薬剤師は、基本的に調剤業務へ携わることはありません。調剤薬剤師としてのスキルアップが期待できる職場ではない、ということを理解しておく必要があるでしょう。
他社と差別化された商品を開発するためには、各種成分に関する幅広い知識を吸収し、研究し続ける必要があります。また、薬機法(旧薬事法)をはじめとした各種法令の知識を身につけることや、常に法令改正にアンテナを張っておくことも必要です。
化粧品メーカーの薬剤師として第一線で働くためには、常に努力して勉強し続けなければなりません。
化粧品メーカーで働く薬剤師の年収は350~700万円ほどと言われています。大手化粧品メーカーで管理職に昇進すれば、年収1000万円を超えることも珍しくないでしょう。
また先に触れた通り、多くの化粧品メーカーでは産前産後休暇・育児休暇などの福利厚生が充実しています。収入面以外でも比較的恵まれた業界と言えるでしょう。
化粧品メーカーの薬剤師は、複数のスタッフでチームを組んで研究・開発を進めたり営業要員として販売会社を訪れたりなど、意外に人と関わることの多い立場です。まずは他人とのコミュニケーションに苦を感じないタイプの方が、化粧品メーカーに向いていると言えるでしょう。
また化粧品を開発する立場である以上、時代の流行には敏感でありたいものです。その意味では、常に美容に関心のある方にも向いている職種と言えるでしょう。