健康志向ブームなどを背景に、薬剤師の求人が増えつつあると言われる食品メーカー。自分が開発に携わった食品を店頭で目にすることがあるなど、仕事のやりがいを実感しやすい魅力的な職場として、近年は多くの薬学部生から注目を集めています。
ここでは、食品メーカーで働く薬剤師のやりがいやメリット・デメリット、平均月収、1日のモデルスケジュールなどをご紹介しています。
薬学部の卒業生全体のうち、食品メーカーに就職する人の比率を示した公的な資料は見つかりませんでした。
ただし、「就職動向調査結果報告書」(薬事日報/平成30年)によると、企業(医薬品関連企業およびその他)へ就職した薬学部卒業生の割合が、卒業生全体の約10.5%と報告されています。食品メーカーも「企業」であることは間違いないので、この約10.5%の中に含まれている可能性があるでしょう。
ちなみに薬学部卒業生からもっとも人気の高い業界は薬局。同報告書では、薬学部の卒業生全体のうち約36.3%が薬局へ就職していることが示されています。
なお、昨今の食品メーカーでは、従来からある食品成分分析や研究開発などのほかにも、健康志向ブームを背景にしたサプリメント開発を進めるため、薬学部卒業生を積極的な採用を行っていると言われています。
食品メーカーが市場にリリースした商品は、スーパーや百貨店などの多くの店舗で店頭に並びます。自分が開発にかかわった商品を街で見かければ、その場で仕事のやりがいを感じられることでしょう。 病院や薬局、製薬会社などに勤務する薬剤師にもやりがいはありますが、それらに比べると、食品メーカーに勤務する薬剤師のほうが、さまざまな場面で仕事のやりがいを実感しやすいのではないでしょうか。
メーカーの規模や方針にもよりますが、一般に食品メーカーは休暇制度などの福利厚生が充実していると言われています。優秀な人材の確保や人材流出防止のためには、福利厚生を充実させて従業員満足度を上げる必要があるからです。一方で、たとえば病院勤務の薬剤師は、夜勤や当直、残業などが当たり前のような職場です。食品メーカーのような余裕のある働き方はできないかもしれません。
食品メーカーで開発の仕事を続けている以上、調剤薬剤師としてのスキルを磨くことはできません。何らかのきっかけがあり調剤薬局への転職を試みたとしても、実質的なスキルがないことを理由に、経験者に比べると採用で不利になる可能性があるでしょう。
食品メーカーで働く薬剤師の平均月収は35~40万円くらいと言われています。もちろん初任給はより低い月収でのスタートとなりますが、長い目で見れば35~40万円ほどが平均と考えておけば良いでしょう。なお食品メーカーは民間企業なので、就職先によって月収が大きく異なりますが、月収の額だけではなく「自分のやりがいことがやれるかどうか」という視点も大切にして会社選びをすることが大切です。
食品メーカーで働く薬剤師のモデルスケジュールを見てみましょう。
出社後、まずは自分宛てのメールをチェック。問い合わせがあれば、その場でメール等で返信をします。朝礼が始まるまでにメール等の対応を終わらせます。
担当する食品の分析、および品質チェックを行います。
担当する食品の品質管理状況を確認してレポートにまとめます。
一日の動きや進捗などをミーティングで確認し部署全体で共有します。ミーティング後は上長への日報を作成・提出のうえ、一日の業務が終了となります。
食品メーカーで働く薬剤師のやりがい、メリット・デメリット、平均月収、1日のモデルスケジュールなどをご紹介しました。
商品開発などの興味深い仕事ができる点では魅力的な職場ですが、食品メーカーでは、薬剤師本来の専門でもある調剤を行う機会はありません。薬学部での勉強の過程で食品開発に興味を持った方ならおすすめしますが、調剤により患者さんの健康を守っていきたいという当初の気持ちが強い方、薬剤師としてのキャリアを積んでいきたい方は、食品メーカーよりも薬局のほうが適しているでしょう。
キャリアアップが叶う理由
年収 | 700万~800万円 |
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昇給賞与 | 昇給年1回、賞与年2回 |
転勤の有無 | 岡山県外の転勤なし |
残業代 支払い有無 |
残業代支払いあり |
有給取得率 | 80%(2020年実績) |
キャリアアップが叶う理由
年収 | ※公式HPに掲載されている求人情報に年収に関する記載はありませんでした。 |
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昇給賞与 | 昇給年1回、賞与年2回 |
転勤の有無 | 全国転勤あり |
残業代 支払い有無 |
残業代支払いあり |
有給取得率 | 公式HPに記載なし |
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※参照元:薬キャリ(https://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/216)