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薬剤師の仕事の将来性は?

目まぐるしく変化する医療業界において、薬剤師の将来性を不安視する声も少なくありません。ここでは業種別の薬剤師の将来性やこれからの時代に求められる業務、必須スキルなどについて解説します。

薬剤師の将来性が不安視されている理由

今薬剤師の将来性が不安視されている背景には二つの理由があると考えられています。

一つは、薬剤師の数が増加していることです。令和4年3月に厚生労働省が発表した令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、令和2年12月31日時点の全国の薬剤師数は32万1982人でした。平成30年に行われた同調査では31万1289人でしたから、この短期間で1万人以上の薬剤師が増えています。現時点では薬剤師に高いニーズがありますが、このまま薬剤師数が増加すると、いずれは過剰供給になってしまう可能性が高いです。

二つ目はAI技術やICTによる、薬剤師業務の自動化です。デジタル技術が発達して、従来人間が行っていた業務がロボット化が進められています。国をあげて推進しているDXの波も薬局など薬剤師の職場に押し寄せており、今後求められる薬剤師の数が減少するのではという懸念があります。

参照元:令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_kekka-3.pdf)、平成30年医師・歯科医・薬剤師統計の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/dl/kekka-3.pdf)

【業種別】薬剤師の将来性

調剤薬局

調剤薬局では約20万人の薬剤師が働いていると言われていますが、今後は過剰供給になるリスクが高く、将来性はそれほど高くありません。2019年に事務員による薬剤のピッキングが一部解禁となり、デジタル技術による業務負担軽減も相まって、薬剤師の業務量は目減りすると予測されています。

病院

病院で働く薬剤師は、薬剤師の将来性が不安視される中でも比較的将来性がある職場です。調剤報酬改定や薬価改定による打撃を受けづらく、収益が安定していることが一因として考えられます。また高齢化社会の日本では病院で働く薬剤師のニーズは非常に高いです。

ドラッグストア

ドラッグストアは病院同様、比較的将来性がある業種です。近年ドラッグストアは調剤室を設けているところが多く、薬剤師へのニーズが高まっています。薬以外にもさまざまな商品を販売しているため、診療報酬が改定されても影響を受けづらいです。

製薬会社

高待遇なことが多いことで知られる製薬会社ですが、製薬会社で働く薬剤師は減少傾向にあり、今の待遇や雇用が維持できるとは言い切れません。近年はジェネリック医薬品が大幅に普及しているため、新薬での利益が見込みづらく、2020年に薬価改定が行われたことで利益が減り、今後雇用が減ることも懸念されています。

これからの薬剤師に求められる業務とは

在宅医療

在宅医療を希望する人は多く、高齢化社会の影響もあって、今後在宅医療のニーズは増加していくと考えられています。患者の自宅に医薬品などを供給し、服薬指導や薬歴の管理などを行いつつ、医師と連携を取る薬剤師のニーズも比例して高まっていくでしょう。

かかりつけ業務

24時間体制で患者さんに対応するかかりつけ業務も、今後ニーズが高まる業務の一つです。夜間や休日など薬局が閉まっているときでも、電話などで対応し、正しい服薬指導などのアドバイスを行います。

セルフメディケーションの推進

一人ひとりが自分の健康を管理し、軽微な不調であれば自分で対応するのがセルフメディケーションです。セルフメディケーション推進において薬剤師には、薬の種類や服薬方法などに関する疑問に対応する専門家としての役割が求められています。

求められる薬剤師に必須なスキル

専門性

認定薬剤師や専門薬剤師の認定を受けるなど、特定の分野での専門性を持つことは、今後薬剤師として活躍するために必要なスキルです。専門性を持っていれば昇格や転職によるキャリアアップのチャンスも増えます。複数の専門性を持つのがおすすめです。

コミュニケーション力

患者さんやその家族と積極的に関わっていくことが求められるため、コミュニケーション力も非常に重要なスキルとなります。一人ひとりの性格や病状に寄り添って、サポートできる力があれば在宅医療やセルフメディケーション推進、地域医療などでも活躍できるでしょう。患者さんと直接会話をして、メンタルケアをすることは、AIやデジタル技術ではできない業務です。

在宅医療の経験

在宅医療での経験を今のうちに培っておけば、今後在宅医療のニーズがさらに高まった時に重宝される人材になれます。地域密着で在宅医療を実施している調剤薬局やドラッグストアなどで、経験を積んでおくといいでしょう。