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公務員

景気に左右されることなく、老後の年金も含めて一生涯の収入が安定している公務員薬剤師。配属先によっては残業がほとんどなく、休暇も福利厚生も充実しているなど、ワークライフバランスを重視したい薬剤師の方にとって公務員は、とても理想的な仕事となるかもしれません。

ここでは、公務員薬剤師のメリットやデメリット、仕事内容、平均月収、1日のモデルスケジュールなどについてご紹介しています。

公務員として就職する薬剤師はどれくらいいる?

薬事日報の「就職動向調査結果報告書」(平成30年)によると、6年制薬学部を卒業した学生の中で公務員(行政機関)に就職した学生の比率は、全体の約2.5%。より上位にある「未定」や「就職せず」を除けば、上から5番目に多い就職先となりますが、全体の中で考えれば決して公務員薬剤師の比率は多くありません。

ちなみに、同じ報告書の中でもっとも多い就職先だったのは「薬局」。6年生薬学部のそぐ調整のうち、約36.3%が薬局に就職しています。次いで「病院・診療所」の23.3%が続きます。なお、病院・診療所の中には公立機関もあることから、この23.3%の中に公務員薬剤師が含まれる可能性はあります。

公務員薬剤師の比率が少なめの理由は、単に「公務員になりたい人が少ない」というだけではありません。もとより、薬局や病院などに比べて求人が少ないことが、公務員薬剤師の比率も小さい理由です。

一生涯の安定的な収入が約束された公務員は、薬剤師に関わらず人気の職種。少ない求人に多くの応募があるため、採用されるためには相応の勉強が必要です。

公務員として薬剤師が働くメリット・デメリット

公務員として働くメリット

公務員として働くデメリット

公務員薬剤師の種類

公務員薬剤師には、大きく分けて「国家公務員」「地方公務員」「麻薬取締官」の3種類があります。それぞれの概要を見てみましょう。

国家公務員

国家公務員薬剤師の仕事は、配属先により非常に多岐にわたります。具体的には、医薬品の審査・承認などにかかわる薬事行政、食品衛生法に関連する各種業務、研究開発促進業務、薬剤師国家試験の関連業務、薬価算定や調剤報酬に関連する業務など。国立病院勤務の調剤薬剤師になることもあります。

国家公務員薬剤師になるためには、薬剤師の国家試験に合格するだけではなく、国家公務員試験に合格することも必要です。

地方公務員

地方公務員の仕事も、配属先によりまったく異なります。大きく分ければ「病院勤務」か「行政勤務」。公立病院の調剤薬剤師となるか、または行政職として専門性を活かした仕事に携わるかのどちらかです。病院勤務の調剤薬剤師が行政職へ異動になるケースもあります。

地方公務員になるためには、薬剤師の国家試験に合格するとともに、各自治体が行う地方公務員試験に合格する必要があります。

麻薬取締官

麻薬取締官とは、薬物犯罪の捜査、麻薬の流通・拡大の防止、医療機関への立入検査などを行う薬剤師です。特殊な仕事ですが、薬剤師の専門性を発揮できるやりがいのある仕事でしょう。

麻薬取締官は国家公務員なので、麻薬取締官になるためには、薬剤師の国家試験とは別に国家公務員試験に合格する必要があります。

公務員として働く薬剤師の平均的な月収は?

公務員の基本給を定める「俸給表」によると、公務員薬剤師は「医療職2級15俸給」に該当します。「医療職2級15俸給」に該当する職員の初任給は約20万円。民間薬剤師に比べ、安いと言わざるを得ません。

ただし上述の通り、公務員薬剤師は給与が減ることもほとんどなく、ボーナスもしっかりと支給されます。各種手当も手厚い上、ほぼ毎日定時に終業し休暇をしっかり取れることも考慮すれば、必ずしも時間あたりの給与単価は悪くありません。

公務員として働く薬剤師のスケジュールは?

国立病院で公務員として働く薬剤師のモデルスケジュールを見てみましょう。行政職としての薬剤師とは、ややイメージが異なります。

公務員よりも薬学部生に人気な就職先は?

薬学部卒業生に占める公務員薬剤師の割合、公務員薬剤師のメリット・デメリット、主な仕事の種類、平均月収、国立病院に勤める薬剤師のモデルスケジュールをご紹介しました。

非常に幅広い仕事が用意されている公務員薬剤師ですが、くれぐれもご注意いただきたい点が「幅広い仕事の中から自分で好きな仕事を選べる」わけではないこと。就業や異動の際、本人の希望はヒアリングされるものの、かならずしも希望通りの仕事に就けるわけではありません。

自分の意思がほとんど反映されず、行政の意思によって動かされることに窮屈さを感じる人もいるでしょう。

なお2018年における調査では、公務員薬剤師よりも薬局薬剤師のほうが人気です。薬剤師としてのスキルアップを目指す上では、行政機関よりも薬局のほうが有利だとの判断かもしれません。

薬剤師として就職する際には、まず王道の薬局を第一に考え、どうしても自分に薬局が合わないと感じた場合のみ、公務員などの別の道を模索してみるという順番が良いのではないでしょうか。